« 奥羽本線板谷駅 | トップページ | 吊るし飾りの手拭い »

角田光代 『八日目の蝉』

004

昨年の夏でしたか、NHKでドラマ化されたのを見てすぐに図書館に予約しましたが、年が明けてやっと手元に。

不倫相手の赤ん坊を連れ去った希和子という女性が、警察から逃げ続けながら赤ん坊と親子のように過ごしていく3年半の出来事が前半。

後半は、連れ去られた娘が両親の元に戻り、成長して大学生になるも、妻帯者である恋人の子供を身ごもり逡巡する・・・という物語。

ドラマの印象が強くて読んだ本だったので、最初の感想は『ドラマは原作に忠実に作ったんだなぁ~』でした(^^ゞ

映画化やドラマ化された作品が、えっ?!っていうくらい原作と違っててガッカリすることがよくありますよね。そういうことは全然なくて、小説の印象を変えることなく丁寧にドラマは撮られたのだな、と思いました。

本筋の感想は・・・前半は、希和子の罪を罪として理解しつつも、やはり感情移入してしまって「無事に逃げてくれ!」という気持ちになっていました。悪いのは相手の男じゃん!と思える書き方だし

しかし後半、連れ去られた娘が元の本当の家庭に馴染めず、父親も母親も家族に向き合えずに十何年も過ごしている状況を見ると、やはり希和子の犯した罪の大きさに気付いて考えさせられました。

なにしろこの、娘の父親であり希和子の不倫相手である男がしょーもないのなんのって!あっちにもこっちにも都合のいいことばかりへらへら言ってて、腹立つわー(笑)。

そんな父親を軽蔑し、『母もあの女も、どうしてこんな男を奪い合おうなんて思ったんだろう?』と思っていた娘まで、妻帯者であるしょーもない男に結局恋をしてしまい、身ごもってしまうという皮肉。

でも希和子と違うのは、希和子は男に請われるままに自分と男の子供を堕ろしてしまったけれど、娘は男と別れて一人で産むことを決心したこと。そして、父親と母親と妹とみんなで育てよう!と思うこと。

そして最後に、自分を産んだ母親も、連れ去ったあと3年半慈しんで育てた希和子も、どちらも母親なのだ、と思い至ります。

希和子のつらさもわかるけれど、やっぱりこの娘がこれから先、本当の両親と向き合ってお互いのわだかまりを解いていって欲しいと強く思いました。

なかなかおもしろい本だったです。

|

« 奥羽本線板谷駅 | トップページ | 吊るし飾りの手拭い »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

角田さんの小説・好きです!いつだったか・・河北新聞の夕刊で、連載された小説・・いつまでも・・心に残り・・また・本屋で探してみたいなぁと、思います

投稿: むーみんまま | 2011年2月15日 (火) 16時28分

むーみんままさん、こんばんは♪
私はまだ、角田さんの小説はこれしか読んだことがないのです。
河北新報にも連載されていたんですね。調べてみると『紙の月』というタイトルで、まだ書籍化はされていないようです。残念(>_<)
でも文章がとても好きだったので、他の本も読んでみようと思っています。『紙の月』も早く出版されるといいですね♪

投稿: はかたっこ | 2011年2月15日 (火) 21時48分

そういえば友達から角田さんの本を借りたけど
まだ手付かずだった
八日目の蝉もあります
ドラマでも見たけど本でも読んでみます
今度映画化もされるんだよね

投稿: ゆみりん | 2011年2月26日 (土) 19時32分

ゆみりんちゃん♪
映画では永作博美と井上真央ちゃんなんだよね。
ストーリーはどんなだろうね~見たいような見たくないような
原作、おもしろいからぜひ読んでみてね!

投稿: はかたっこ | 2011年2月26日 (土) 22時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 奥羽本線板谷駅 | トップページ | 吊るし飾りの手拭い »