« 嶽きみ・ロールケーキ | トップページ | 新旧洗濯機 »

船曳由美 『一〇〇年前の女の子』

020_2

去年、何かの書評で見て図書館に予約しましたが、人気があったようで年が明けての借り出しとなりました。

タイトルの通り、栃木と群馬の県境に近い村で100年前に誕生した一人の女の子の目を通して、明治時代の山村の生活をいきいきと描き出しています。

神や仏を敬い、先祖や年寄りを大切にし、自然に感謝しながら生きる人たち。作者はその女の子の娘さんにあたる人なのですが、お母様が問わず語りに話される子供の頃の思い出話を聞いて、それらを書き留めておく気持ちになられたそうです。

読んでいると、決まり事に従って生きることの潔さのようなものを感じます。姑の役目、嫁の役目、子供たちの役目。季節ごとの行事の手順、村を訪ねてくる物売りの人たち、農作業を手伝い合う近隣の人たち。

今の世の中に比べればもちろん、娯楽もなく働き通しで年老いていく暮らしが素晴らしいとは言いませんが、お互いに協力し合い思いやってただ日々を重ねていく生活に少し憧れのようなものも抱きます。

大きな事件もない淡々とした村の暮らしの記録ですが、100才を過ぎた今は村のことしか話せなくなってしまった“女の子”の気持ちを思うと最後に少し涙が出ました。

|

« 嶽きみ・ロールケーキ | トップページ | 新旧洗濯機 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 船曳由美 『一〇〇年前の女の子』:

« 嶽きみ・ロールケーキ | トップページ | 新旧洗濯機 »